主要な生命保険会社の2025年度決算発表が5月中旬から始まっており、現時点では大手生保の決算結果がほぼ出揃いました。
そこで今回は、企業年金向け生保一般勘定商品の2025年度配当率を確認してみます。
生保各社の2025 年度一般勘定(団体年金区分)配当率

上の表の最下段が、2025年度決算に基づく配当率です。
主なポイントを箇条書にしてみましょう。
①各社とも昨年よりも高い還元水準としており、全社について「予定利率+配当率」が前年よりも増加しています。
特に富国生命は、1.3%の予定利率に1.1%の配当率が上乗せになり、トータルの利回りは2.4%とダントツの水準になっています。
なお、富国生命の還元率は、2022年度以降継続して、他社を圧倒する水準となっています。
②日本生命も積極的な還元方針を採用しているようで、昨年よりも増配となりました。
特に新規受託を行っている「一般勘定プラス」の還元率(予定利率+配当率)は、富国生命に次ぐ水準となっています。
なお、日本生命は決算発表に先立って、「団体年金の上乗せ利率(2階部分)の見直し」も公表しています。
長期金利が上昇している中で、積極的に新規受託を行う方針に転じたのかもしれません。
③2025年4月から3階建ての保証利率体系を採用した明治安田生命は、予定利率(保証利率)が2階部分を含めて1,3%、配当率(3階部分)が0.19%となりました。
トータルの還元率は1.49%です。
④第一生命についてみると、2023年度までは顧客還元に消極的でしたが、昨年度から積極的な還元に転じたようです。
トータルの還元率は1.80%です。
ただ、原理原則で考えると、第一生命は予定利率水準が0.25%と他社よりも極端に低いので、リスクバッファーの積立負担も小さくなるはずです。
「予定利率の低さを考慮すると、配当率はやや物足りないのでは」という感想を持ちました。
生保一般勘定の「予定利率+配当率」推移

上のグラフは、生保一般勘定の「予定利率+配当率」の推移を見たものです。
近年の長期金利上昇により、生保一般勘定利回りは、富国生命を除き10年国債の利回りを下回っていることが分かります。
なお、グラフに示した長期金利の水準は2025年12月末の水準ですが、足元の長期金利は2.7%を超えています。
すなわち、還元率がダントツの富国生命であっても、一般勘定の利回りは長期金利を下回っていることになります。
近年は物価上昇が継続していることや円安傾向が続いていることなどを考えると、今後も長期金利は高い水準を継続する、あるいはさらに上昇する可能性が高そうです。
そのような環境下で、生保一般勘定の魅力をどのように訴求するかが、各社の今後の課題になると考えます。