生保会社の2024年上期決算概要の2回目です。
今回は収益性指標である基礎利益の状況を確認してみます。
大手生保（4社）の基礎利益の状況（億円）
（出所）各社の公表資料より作成
上の図表はは大手生保（4社）の基礎利益の状況を表したものです
ご覧のように、全社で基礎利益が2023年上期よりも増加していることが分かります。
また、基礎利益の内訳をみると各社とも利差益が大きく増加しています。
利差益の増加は「円安による外国公社債の利息及び配当金等収入の増加」および「国内株式の配当金の増加」がその主要因です。
次に、第一と明治安田では保険関係益（危険差益＋費差益）が減少しています。
表には載せてありませんが、特に費差益の減少が大きく第一生命では費差損に転じている状況です。
費差益減少の要因は、明治安田生命の決算説明資料によると「インフレに伴う事業費の増加」とのことです。
中堅生保（5社）の基礎利益の状況（億円）
上の図表は中堅生保（5社）の基礎利益の状況を表したものです。
大樹生命を除き、大手生保と同じように基礎利益は2023年度上期よりも大きく増加しています。
大手生保と同様に「円安による外国公社債の利息及び配当金等収入の増加」および「国内株式の配当金の増加」による利差益増加が主要因と推測されます。
なお、大樹生命の基礎利益の減少は「保有契約の減少に伴う危険保険料の減少等による保険関係損益の減少」が要因とのことです。