生保会社の2024年度決算概要の3回目です。
今回は業績指標である新契約年換算保険料の状況を確認してみます。
大手生保(4社)の新契約年換算保険料の実績


上のグラフは大手生保(4社)の新契約年換算保険料の実績(金額、対前年度増加率)をグラフにしたものです。
主なポイントは以下の通りです。
・個人保険・個人年金合計の新契約年換算保険料を2023年度と比較すると、第一のみが増加、日本・明治安田・住友は減少となりました。
・第一の新契約年換算保険料は前年度よりも大幅に増加しました。その主要因は、営業職員チャネルにおける個人年金の新商品効果と推測されます 。
なお、第一生命は、2023 年12 月20 日より、「指数連動型年金(ステップジャンプ)」を発売しました。
指数連動型の円建て平準払い個人年金保険は生命保険業界初です。
・明治安田の新契約年換算保険料は微減となりました。
チャネル別にみると営業職員チャネルでは前年を下回るものの、銀行窓販では外貨建一時払保険の販売量が増加しました。
・コロナ禍前の2019年度と比較すると、日本・住友は新契約年換算保険料が減少しています。
また、昨年度まで新契約実績が低迷していた第一生命の新契約年換算保険料は2019年度実績を上回りました。
上記した「個人年金の新商品効果」が大きいものと推測されます(本記事の終わりの部分に掲載した表を参照願います)。
中堅生保(5社)の新契約年換算保険料の実績


上のグラフは中堅生保(5社)の新契約年換算保険料の実績(金額、対前年度増加率)をグラフにしたものです。
主なポイントを挙げてみます。
・個人保険・個人年金合計の新契約年換算保険料は、大樹を除く各社で2023年度よりも増加しています。
・太陽生命の新契約年換算保険料は前年度よりも大幅に増加しています。
詳細は不明ですが一時払いの貯蓄性商品 の販売が増加したものと推測されます。
・大同生命の新契約高増加要因は、決算説明資料によると、「死亡保障に就業不能・ 介護保障等を加えたトータルな保障の提案により、顧客の幅広い保障ニーズに応えた」ことです。
・富国生命では、個人年金の販売が増加しました。
これは、2024年4月に個人年金の予定利率を引上げた効果によるものです。
・コロナ禍前の2019年度と比較すると、各社とも2019年度実績を上回っています(下表参照)。
コロナ禍前からの新契約年換算保険料の推移
