主要な生命保険会社の決算発表が5月中旬から始まっています。
そこで今回は、企業年金向け生保一般勘定商品の2024年度配当率を確認してみます。
生保各社の2024 年度一般勘定(団体年金区分)配当率

上の表の最下段が、2024年度決算に基づく配当率です。
主なポイントを箇条書にしてみましょう。
①「予定利率+配当率」が前年よりも増加したのは、日本生命・第一生命・富国生命です。
特に富国生命は、1.3%の予定利率に0.6%の配当率が上乗せになり、トータルの利回りは1.9%と昨年に引き続きダントツの水準になっています。
②明治安田生命と住友生命は配当率は昨年に引き続きゼロです。予定利率が1.25%ですから、トータルの利回りも1.25%です。
③第一生命の配当率は昨年の0.67%から1.15%と大きく増加しています。
ここ数年「予定利率+配当率」の水準は他社に大きく劣後していましたが、2024年度は他社と見劣りのない水準となりました。
顧客還元についてのスタンスを変更した可能性があります。
生保一般勘定の「予定利率+配当率」推移(解約控除型)

上のグラフは、生保一般勘定の「予定利率+配当率」の推移を見たものです。
近年は長期金利が上昇しているため、生保一般勘定利回りとの差が縮まっているこことがわかります。
なお、グラフに示した長期金利の水準は2024年12月末の水準ですが、足元の長期金利は1.5%を超えています。
足元の金利水準を前提にすると、富国生命以外の各社の一般勘定利回りは長期金利を下回っていることになります。