主要な生命保険会社の決算発表が5月中旬から始まっています。
そこで今回は、企業年金向け生保一般勘定商品の2023年度配当率を確認してみます。
生保各社の2023 年度一般勘定(団体年金区分)配当率
上の表の最下段が、2023年度決算に基づく配当率です。
主なポイントを箇条書にしてみましょう。
①「予定利率+配当率」が前年よりも増加したのは、日本生命と富国生命です。
特に富国生命は、1.3%の予定利率に0.5%の配当率が上乗せになり、トータルの利回りは1.8%とダントツの水準になっています。
なお、両社とも先日の日経報道どおりの結果となっています。
②明治安田生命と住友生命は配当率は昨年に引き続きゼロです。予定利率が1.25%ですから、トータルの利回りも1.25%です。
③第一生命は減配となりました。配当率が昨年の0.69%から0.67%に減少しています。
「予定利率+配当率」の水準も他社に大きく劣後した水準となっています。
生保一般勘定の「予定利率+配当率」推移(解約控除型)
上のグラフは、生保一般勘定の「予定利率+配当率」の推移を見たものです。
2023年度は長期金利が上昇したため、生保一般勘定利回りとの差が縮まったことがわかります。
なお、グラフに示した長期金利の水準は12月末の水準ですが、足元の長期金利は1%を超えています。
足元の金利水準を前提にすると、第一生命一般勘定の利回り水準はとうとう長期金利を下回ったことになります。
第一生命の法人営業担当の方は、おそらく相当苦労することになるでしょう。
グラフからも分かりますが、第一生命の配当還元スタンスは明らかに他社と違ってきています。
なぜ、第一生命の利回り水準がここまで低いのかについては、別の機会に改めて分析してみたいと考えています。