前回の記事でご説明した管理会計システムの仕組みを図にすると、以下のようになります。
区分経理システム概念図
まず、保険関係の取引情報は、財務会計システムだけに入力します。
そのうえで、区分経理用会計システムの会社勘定に、取引情報(サマリー)を定期的に連動させます。
また、資産運用関係の取引情報は、財務会計用と区分経理用の両方を作成し、それぞれに入力します。
なお、貸付や不動産等の一部の資産は、マザーファンド方式で区分経理情報を管理していますが、上の図ではその仕組みは省略しています。
最後に、事業費や税金については、財務会計情報を配賦した結果を、定期的に管理会計システムに投入します。
上の図で分かるように、業務系システムで新規開発が必要なのは、資産運用関係業務に限定されます。
事業費等の配賦については、もともと原価計算の仕組みがあったので、それを利用することが可能でした。
あとは、区分経理用の会計システムを作れば、区分経理実施の準備は整うことになります。
これも、もともと財務会計用の経理システムがありますので、それを応用すれば新規開発の負荷はそれほど大きくありません。
結局、当時の社内の大多数の人が危惧したような「大がかりな開発」は、どこにもありません。
コストも手間も最小限で済むことになりました。